不安症と不安障害の違いとは?主な種類や原因、対処するポイントを解説

過剰な不安や恐怖によってストレスがかかり、生活に支障が出てしまう病気にお悩みの方は少なくありません。
特に、不安症・不安障害のリスクの方や実際に患っている方の中には、どのように心を安定させるべきなのかなどを考えていることもあるでしょう。
本記事では、不安症と不安障害の違いや主な種類、原因や症状とその診断基準などを解説します。
なお、不安症・不安障害でお悩みなら「こころメディカルクリニック」にご相談ください。
不安症と不安障害の違いとは?

不安症と不安障害の違いは名称の呼び方であり、症状や意味はほとんど同じです。医療で使用する世界的な診断基準の変更に伴い、表現が変わりました。
どちらも、過剰な不安感や恐怖によって心身に大きなストレスがかかり、日常生活や社会活動に支障が出てしまう病気です。現在は「障害」という言葉が与えるネガティブな印象を避ける目的で、不安症と呼ばれる場合が多くなっています。
言葉の響きが異なっていても、根底にある心身のつらさや治療の必要性に違いはありません。どちらの表現であっても、過度な苦痛を感じている場合は早期の対応が必要になります。
不安症(不安障害)の主な種類

不安症(不安障害)の主な種類は、以下の通りです。
- パニック症(パニック障害)
- 全般不安症(GAD)
- 社交不安症(社交不安障害/あがり症)
- 限局性恐怖症(具体的恐怖症)
ここでは、それぞれの種類を解説します。
パニック症(パニック障害)
パニック症(パニック障害)とは、明確な理由もなく動悸やめまい、震えなどの発作を起こす症状のことです。
発作がまた起きるのではないかと不安になって起こる「予期不安」と、特定の場所に行くと起きる「広場不安」の2種類があります。多くの場合、日常生活や社会活動が困難になり、電車に乗ることや人混みに行くことが難しくなります。
全般不安症(GAD)
全般不安症(GAD)とは、日常のさまざまな場面で明確な理由もなく不安になる症状のことです。
常に不安感を覚えているため、心身ともに疲れやすく、肩こりや頭痛、集中力の低下などが起きやすくなります。さらに、精神的な負担だけでなく身体的にも症状が現れやすいのが特徴の1つです。
他にも些細なことが気になり、心休まる時間がなくなってしまいます。
社交不安症(社交不安障害/あがり症)
社交不安症は社交不安障害やあがり症とも呼ばれ、人前で食事や発言、行動するのに恐怖や不安を覚える症状を発症します。
特に、人前で恥をかきたくない、評価されたくないなどの感情で起きやすいのが特徴です。気持ちは安定していても人前に立つだけで、声が出なくなったり、震えや冷や汗が出たりします。
そのため、学校や職場での発表において、極度な緊張で本来の力を発揮できない場合があります。
限局性恐怖症(具体的恐怖症)
限局性恐怖症とは、特定の物事に対して強い恐怖心を抱く症状です。特定の対象が目の前に現れたり、想像したりするだけで動悸が始まります。
例えば、高所恐怖症や閉所恐怖症、先端恐怖症などが該当します。限局性恐怖症は過去の恐怖体験やトラウマによって発症する場合があり、症状がひどいと生活にも影響するものです。
高い場所や狭い空間を避けるあまり、移動手段や行動範囲が制限される場合も少なくありません。
不安症(不安障害)になる3つの原因

不安症(不安障害)になる原因は、主に以下の3つです。
- 身体的な疾患や薬の影響
- カフェインやアルコールの過剰摂取
- 日常的なストレスや過去のトラウマ
ここでは、それぞれの原因を解説します。なお、ここで解説する原因以外にも考えられる場合があるため、考慮しておきましょう。
身体的な疾患やその薬の影響
不安症は、身体的な疾患やそれに伴う薬の影響で発症する場合があります。体の病気による異変や不快感が、精神的な不安を大きく呼び起こす仕組みです。
特に、心不全や不整脈、ホルモンバランスの乱れ、呼吸器系の疾患を患っている方は発症しやすい傾向にあります。多少の不安感であれば薬の副作用である場合もありますが、症状がひどい場合は医師に相談することが重要です。
持病の治療を適切に進める過程で、不安の症状が自然と和らぐことも多くあります。
カフェインやアルコールの過剰摂取
カフェインやアルコールの過剰摂取は、不安感を増幅させる作用があります。神経を過剰に刺激したり、脳の働きを不安定にさせたりするためです。
少量であればあまり問題のない物質であっても、依存症などで過剰に摂取している方は注意が必要になります。特に、不安症と依存症は併発しやすいため、摂取を控えましょう。
コーヒーや酒類の量を減らす引き算の工夫によって、本来の心の落ち着きを取り戻せます。
日常的なストレスや過去のトラウマ
不安症は、日常的なストレスや過去のトラウマが原因で発症する場合もあります。心にかかる過度な負担が蓄積し、許容量を超えてしまうためです。
特に、怪我や事故、病気などで生命の危機を感じたことのある方はなりやすい傾向があります。人によっては、不安症ではなくPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性があるものです。
そのため、つらい記憶や日々の疲労を放置せず、心を休める環境をしっかりと整える必要があります。
不安症(不安障害)の症状と診断基準

不安症(不安障害)の症状は、不安や恐怖によって日常生活に支障が出てしまうことです。気持ちの問題だけではなく、身体の不調としてもはっきりと現れます。
さらに、不安や恐怖によって疲労感や睡眠障害、食欲不振が起きていると不安症と診断される可能性があります。ただ、上記の症状は必ずしも不安症とは限らないため、他の疾患も考慮して医療機関を受診するのがおすすめです。
精神科や心療内科では、国際的な診断基準に基づいて専門医が総合的に判断します。
不安症(不安障害)になりやすい人の特徴

不安症(不安障害)になりやすい人の特徴は、主に以下の通り
- 完璧主義な傾向がある人
- 元から心配症で不安を感じやすい人
- 周囲に相談したり話したりできない人
- 真面目で思い込みが激しい人
上記の特徴に該当する方は、不安症になりやすい傾向があるため、注意が必要です。また、周囲で上の特徴に該当している方がいれば、しっかりと理解してあげたり、医療機関への受診を薦めたりするようにしましょう。
不安症(不安障害)を対処するための3つのポイント

不安症(不安障害)を対処するためのポイントは、主に以下の3つです。
- できるだけ規則正しい生活を送る
- 働き方や人間関係を見直す
- 医療機関で適切な治療を受ける
ここでは、それぞれのポイントを解説します。
できるだけ規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送ることで、自律神経が安定し、不安感が少なくなる場合があります。
特に、食事や睡眠をする時間を毎日同じにすることで、症状が治りやすくなります。ただ、無理に早起きや食事をすると負担がかかるため、「できるだけ」を心がけるのが大切です。
無理をして余計に心に負担をかけてしまったら、本末転倒です。就寝時間を一定に保つなど、取り組みやすい部分から調整を始めましょう。
働き方や人間関係を見直す
不安症になった原因が、長時間労働や人間関係にある場合は、ストレスの根源から距離を置かなければ、心の回復が進まないため、環境を見直す必要があります。
生活習慣を改善しても根本的な原因が解決できていなければ、再発や悪化する場合が多くあります。ただ、いきなり転職や退職をすると不安や恐怖が強くなる場合があるため、まずは休息を取るのがおすすめです。
特に、有給休暇を取得して心身を休める時間を確保し、今後の働き方を考えるなどが効果的な手段になります。
関連記事:不安障害でも就ける仕事はある?症状との向き合い方や活用できる4つの制度を紹介
医療機関で適切な治療を受ける
不安症がなかなか改善しない場合は、医療機関で適切な治療を受けるのが最善です。専門的なアプローチにより、回復を目指しやすくなります。
医師の診断を受け、抗うつ剤や抗不安剤などを服薬し、症状を抑えられる場合があるものです。また、必要に応じて精神療法や医師の判断のもと、TMS療法(磁気刺激治療)などが検討される場合があります。
専門の医師を頼ることで、健康な状態を目指しやすくなります。
不安症(不安障害)に関するよくある質問

不安症(不安障害)に関するよくある質問を整理しました。
詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
不安症(不安障害)を発症したら一生治りませんか?
不安症は一度発症したら一生治らないわけではありません。
適切なアプローチを継続すれば、症状改善を目指せる病気です。特に、通院や生活習慣の改善などで改善し、再発を予防できる場合があります。
実際に不安症を克服して健康的な生活を取り戻せている方も多くいるものです。そのため、悲観せず、専門医と一緒に一歩ずつ治療を進める姿勢が大切になります。
不安症(不安障害)はどのくらいで改善しますか?
不安症(不安障害)の状態や個人差によっても変化するが、基本的に数ヶ月単位で症状改善がみられるケースもあります。さらに、時期が経過すると精神が安定して問題なく日常生活が送れるようになる場合もあるでしょう。
ただ、適切に治療を続けなければ長期化する場合もあるため、改善しても油断は禁物です。自己判断で薬を止めず、医師の指示通りに通院を継続しましょう。
不安症(不安障害)を放置するとどうなりますか?
不安症を放置すると、症状が悪化しさらに生活に支障が出る可能性があります。自然に回復することはほぼありません。
放置すると、仕事のパフォーマンスや対人関係に大きな悪影響が出るリスクが高くなります。また、うつ病などの疾患を併発するリスクも高くなるため、早期に治療を受けるのが重要です。
そのため、小さな異変を覚えた段階で、早めに専門のクリニックへ足を運びましょう。
不安症(不安障害)でお悩みなら「こころメディカルクリニック」にご相談ください

不安症は、日常的なストレスや過去の出来事がきっかけで起きる可能性がある症状であるため、誰でもなる可能性があり、一度なってしまうと改善が難しい方も少なくありません。
適切な治療を受けたり生活を改善したりすれば、再発リスクの軽減につながる場合があります。そのため、しっかりと専門の医師に自分の状態を相談し、しっかりと改善に向けて行動をするのが重要です。
なお、不安症(不安障害)でお悩みなら「こころメディカルクリニック」にご相談ください。

