ご挨拶
女性の人生には、ホルモンバランスの大きな変動を伴うライフイベントがいくつもあります。月経、妊娠・出産、更年期など、それぞれの時期に心身が大きく揺れ動くことで、日常生活や仕事、家庭への影響も無視できません。
当院では、こうした女性特有の心の不調に向き合うため、精神科・心療内科としての立場から、オンライン専門の「女性のメンタルヘルス外来」を開設いたしました。産婦人科医として豊富な経験をもつ女性医師が、安心できる対話と適切な治療を通じて、あなたのこころの健康をサポートします。
対象となる主な症状・ご相談内容
■ 更年期障害に伴うこころの不調
- 更年期うつ
- 漠然とした不安感・焦燥感
- 睡眠障害・集中力の低下
更年期とは、閉経の前後5年の約10年間の時期を指します。この時期にはエストロゲンの急激な減少によって自律神経が乱れ、「のぼせ・発汗・動悸」などの身体的症状や、「イライラ・抑うつ・不眠」などの精神的な症状を引き起こします。
当外来では、漢方薬や必要最小限の向精神薬(SSRI・抗不安薬など)、ホルモン補充療法などを併用しながら、自律神経の安定化と心の落ち着きを図る治療を行っています。
■ 月経に関連する不調
- 月経前症候群(PMS)
- 月経前不快気分障害(PMDD)
生理前になると気分の浮き沈みが激しい、怒りっぽくなる、涙が止まらない―それはPMSやPMDDの症状かもしれません。
PMSは身体的・精神的な不調が月経前に現れる症候群、PMDDはその中でも特に精神症状が重く、日常生活に深刻な支障をきたすものです。
漢方薬、SSRI、低用量ピルなどの薬物療法や、生活改善・食事指導・必要に応じたカウンセリングを組み合わせ、根本的な症状緩和を目指します。
■ 妊娠・出産・育児期のこころの不調
- 妊娠中の不安やうつ
- 産後うつ、育児不安
妊娠中から産後にかけては、ホルモン変動・睡眠不足・生活環境の激変が重なり、不安・抑うつ・イライラ・希死念慮などの症状が出やすくなります。
特に産後は、セロトニンの急低下と育児ストレスが重なることで、感情のコントロールが難しくなるケースも多く見られます。
周産期のこころのケアは早期対応が大切です。妊娠中・授乳中の薬物治療にも配慮しながら、無理のない治療を提案いたします。
担当医師のご紹介
「女性の悩みを抱え込まず相談できる環境づくり」を大切にした診療スタイル
本外来は、産婦人科・周産期医療の現場で20年近くのキャリアをもつ女性医師が担当します。身体の変化とこころのつながりを深く理解した上で、あなたのお悩みにじっくり耳を傾けます。
〈医師略歴〉
東海大学医学部卒(2005年)
周産期・婦人科疾患・生殖補助医療などの豊富な診療経験
総合周産期母子医療センター勤務中
〈保有資格(一部)〉
日本産科婦人科学会指導医
日本周産期新生児医学会(母体・胎児)指導医
日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本超音波医学会専門医
日本母体救命普及協議会(J-CIMELS)インストラクター
妊娠高血圧ヘルスケアプロバイダー
治療について
まずは、患者さんが抱えている症状やお悩みについてお話を聞かせていただき、必要に応じて薬物療法を行います。症状に応じた対症療法や漢方療法のほか、産婦人科医の視点から、月経に伴う症状を緩和するための低用量ピルや、更年期におけるホルモン補充療法などのご提案もさせていただくことが可能です。
妊娠中・授乳中の方への薬剤使用には細心の注意を払います。
当院のオンライン診療予約ページから「女性のメンタルヘルス外来」を選択して予約。初診・再診ともにオンラインで対応いたします。
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最後に
「些細なことかもしれない」「産婦人科に行くのはハードルが高い」
そんなふうに悩んでいる女性が、安心して話せる場所であることを目指しています。
心と体は、切り離せないものです。あなたが本来の自分らしさを取り戻せるよう、専門的かつ優しいサポートをお届けします。