適応障害の再発率はどのくらい?再発しやすい4つの理由や防ぐための方法を解説

「適応障害の再発率や再発しやすい理由を知りたい」
「適応障害の再発を防ぐための具体的な方法を知りたい」
本記事を読んでいる方の中には、上記のような悩みを抱えている方もいるでしょう。
適応障害は、特定のストレス源によって心身に不調をきたす疾患です。環境調整や休養によって改善が見込めますが、実は再発のリスクが高いことでも知られています。
さらに、せっかく回復しても適切な対策を行わなければ、再び同じ苦しみを感じることになりかねません。
本記事では、適応障害の再発率はどのくらいなのか、再発しやすい理由や防ぐための方法を解説します。なお、適応障害の再発にお悩みの方は「こころメディカルクリニック」にご相談ください。
適応障害の再発率はどのくらい?

厚生労働省によるとメンタルヘルス不調で休職し、復職した方のうち1年以内に57.4%、2年以内に76.5%とされています。つまり、適応障害が改善された場合でも、2年以内には半数以上が再発する可能性があるため、注意が必要です。
ただし、上記の数値は適応障害を含む「精神及び行動の障害」で休職した人数です。
適応障害は、仕事のストレスで休職し、復職した後にまた同じような過密スケジュールで働くと、心身が耐えきれず再発しやすくなります。
そのため、適応障害と診断された人は、職場や医師としっかり相談して、対策やケアを行うのが重要です。
参考:主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究|厚生労働省
適応障害が再発しやすい4つの理由

適応障害が再発しやすい理由は、主に以下の4つです。
- ストレスの原因が解消されていないため
- ストレスの対処法が不十分であるため
- 先天的な発達障害で対応しにくいため
- 回復期間が不足しているため
ここでは、それぞれの理由を解説します。
ストレスの原因が解消されていないため
適応障害は、ストレスの原因が解消されていないことで再発しやすくなります。
適応障害は、特定のストレス因子に対して心が過剰に反応する病気であるため、その原因が残っている限り、何度でも症状が現れます。
例えば、職場の人間関係に問題がある場合、休職して一時的に元気になっても、復職後に人間関係が悪い状態のままであれば再発してしまうでしょう。
そのため、部署異動を希望して物理的に距離を置いたり、転職を検討したりするなど、根本的な原因を解消した上で社会復帰を考えるのが大切です。
ストレスの対処法が不十分であるため
ストレスへの向き合い方が不十分であることも、適応障害が再発してしまう人が多い理由の1つです。
例えば、仕事や対人関係で嫌なことがあった際、趣味や運動などの特定の行動で気持ちを切り替えられる人は、ストレスを溜め込まずに済むため再発しにくくなります。
しかし、適応障害などのメンタルヘルスの課題を抱えると、精神的な余裕が減ってしまい、うまくストレスを解消できずに1人で抱えてしまいがちです。
そのため、カウンセリングなどを通じて、自分なりのストレス対処法を身につけることが、再発を防ぐための有効な手段となります。
先天的な発達障害で対応しにくいため
適応障害が再発する人の中には、本人が気づいていない先天的な発達障害が背景に隠れている場合があります。
例えば、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などの特性があると、周囲とのコミュニケーションやタスク管理に苦労し、それが二次的に適応障害を引き起こすことがあります。
日常生活には大きな問題がないケースも少なくないため、本人に自覚がないことも改善を難しくさせる要因です。そのため、環境を変えても適応障害を繰り返す時は、一度専門の医療機関で特性の有無を調べてもらうのが良いでしょう。
回復期間が不足しているため
適応障害は、短期間で完全に治すことが難しく、回復に必要な期間に大きな個人差があるのが特徴です。
一見すると元気に見えても、脳の機能や心のエネルギーが十分に回復していないことが多く、周囲も本人も回復の判断を誤りやすいためです。
この状態で復職や再就職を強行すると、少しの負荷がかかっただけで、すぐに再発してしまう場合があります。そのため、主治医と相談しながら、しっかりとエネルギーが蓄えられるまで休養期間を確保しましょう。
適応障害再発の兆候・サイン

適応障害再発の兆候・サインは、主に以下の通りです。
- 身体的な兆候・サイン
- 精神的な兆候・サイン
- 行動的な兆候・サイン
ここでは、それぞれの兆候・サインを解説します。
身体的な兆候・サイン
適応障害が再発する前触れとして、まずは体に異変が現れるケースが多くあります。
代表的なものとして、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めたりする睡眠障害が挙げられます。また、食事をおいしく感じられない食欲不振や、反対にストレスで食べすぎてしまう過食もサインの一つです。
他にも、突然心臓がドキドキする動悸やめまい、繰り返す頭痛や吐き気などの症状に悩まされることもあります。休んでも取れない強い倦怠感がある場合は、体が限界を感じている証拠であるため、決して無理をしてはいけません。
体調の変化は自分でも自覚しやすいため、日頃から自分の健康状態をチェックする習慣を持ちましょう。
精神的な兆候・サイン
体だけでなく、心のバランスが不安定になることも再発の重要なサインです。
自分ではコントロールできないほど気分の浮き沈みが激しくなったり、漠然とした強い不安感に襲われたりすることが増えてきます。
以前なら気にならなかった些細な出来事に対しても敏感になり、ひどく落ち込んだりイライラしたりするようになります。また、趣味や仕事に対する意欲や興味が急に減ってしまうのも特徴です。
思考力や集中力が低下して、仕事のミスが増えたり、簡単な判断ができなくなったりすることもあります。「最近、自分の心に余裕がないな」と感じたら、それは心が休息を求めているサインの可能性もあるでしょう。
行動的な兆候・サイン
心の不調は、普段の何気ない行動の変化としても現れてきます。
例えば、イライラを紛らわすために飲酒や喫煙の頻度・量が増えるといった行動が目立つようになります。また、感情を抑えられずに周囲の人に当たってしまったり、衝動的に高額な買い物をしたりする浪費も要注意です。
次第に人と会うのが億劫になり、休日は自宅に引きこもりがちになることも再発の兆候といえます。こうした変化によって、職場や家族との人間関係でトラブルが増加し、さらにストレスが溜まるという悪循環に陥りやすくなります。
自分自身の行動に「いつもと違うな」という違和感を覚えたら、立ち止まって状況を見つめ直すようにしましょう。
適応障害が再発しやすい人の4つの特徴

適応障害が再発しやすい人の特徴は、主に以下の4つです。
- 責任感が強く真面目な人
- 完璧主義な傾向がある人
- 自己肯定感が低い人
- ストレス耐性が低い・ストレスに敏感な人
ここでは、それぞれの特徴を解説します。
責任感が強く真面目な人
責任感が強く何事にも真面目に取り組む人は、周囲の期待に応えようとして自分の限界を超えて頑張りすぎる傾向があります。
「自分がやらなければならない」「他人に迷惑をかけてはいけない」という思いが強いため、無理を重ねてしまうからです。その結果、いつの間にか心身ともに余裕がなくなり、適応障害などのメンタル疾患を再発しやすくなります。
責任感を持つことは素晴らしいことですが、まずは自身の健康が第一であることを意識しましょう。
自分の今の限界を考慮した上で、適切に周囲に頼ったり、仕事の量を調整したりすることが再発を防ぐための大切なポイントです。
完璧主義な傾向がある人
物事を完璧にこなしたいという思いが強い人も、適応障害のリスクが高まりやすくなります。
自分に対して非常に厳しい反面、計画通りに進まなかったり小さなミスをしたりすると、一気に気力を失ってしまうことが多い傾向です。
完璧を求めるあまり、業務中などは常に高い緊張状態にあり、心身へ大きな負担がかかり続けてしまいます。さらに、ミスをした際のショックを人一倍強く感じてしまうため、それが大きなストレスとなって蓄積されます。
そのため、全てを100点にしようとせず、こまめに息抜きをしたり、「これくらいで大丈夫」と気持ちを切り替えたりする柔軟性を持つように心がけましょう。
自己肯定感が低い人
自分の能力や価値に対して自信が持てない自己肯定感の低い人は、適応障害を再発しやすいといえます。
周囲からの評価や顔色に非常に敏感になってしまうため、些細な指摘でも「自分がダメだからだ」と強くストレスを感じてしまうためです。
こうした否定的な考え方が続くと、心のエネルギーがどんどん削られてしまいます。
自信を身につけるためにも、大きな目標を掲げるより、日々の小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
例えば、「今日は予定通りに動けた」「決めた時間に起きられた」といった些細なことでも自分を認めてあげましょう。
ストレス耐性が低い・ストレスに敏感な人
もともとストレスに敏感で、刺激を受けやすい性質を持っている人も、再発のリスクが高くなります。
適応障害が一度改善して復職したとしても、以前と同じような人間関係や業務の負荷にさらされると、すぐに限界を迎えてしまうことが多くあります。
これは個人の性格だけでなく、脳の反応のしやすさなど、本人の努力だけではカバーしにくい部分も関係しているでしょう。そのため、ただ我慢するのではなく、根本的な原因となる環境から距離を置く対策が必要です。
同時に、自分に合ったリラックス方法やストレス解消法をいくつか見つけておき、早めに対処する力を養うことが不可欠といえます。
適応障害の再発を防ぐための4つの方法

適応障害の再発を防ぐための方法は、主に以下の4つです。
- できるだけ規則正しい生活を送る
- 焦らずに回復を待つ
- 周囲からの理解や協力を得る
- クリニックでの経過観察を徹底する
ここでは、それぞれの方法を解説します。
できるだけ規則正しい生活を送る
規則正しい生活習慣を身につけることは、適応障害の再発を防ぐための第一歩です。
決まった時間に起き、バランスの良い食事を摂る生活は、ホルモンバランスや自律神経を整えてくれるため、心身が回復しやすい状態を維持できます。
特に、睡眠時間を確保し、生活リズムを安定させることは心の安定に直結します。ただ、「必ずこうしなければならない」と厳しくルールを決めすぎると、それが新たなストレスになる場合があるため注意しましょう。
そのため、まずは「できるだけ同じ時間に起きる」といった意識を持つことから始めて、少しずつ整えていくのが大切です。
関連記事:適応障害とは?自分でできる治療法やなりやすい人の7つの特徴を解説
焦らずに回復を待つ
再発を防止するためには、自分のペースを大切にして、決して焦らずに回復を待つ姿勢が求められます。
適応障害は回復期間が不十分なまま社会復帰をすると、非常に高い確率で再発してしまうからです。
例えば、休職中の場合、キャリアへの不安や周囲の評価が気になり、つい復職を急ごうとする人が少なくありません。しかし、エネルギーが溜まっていない状態での無理な復帰は、結果として休職を繰り返すことにつながり、回復をさらに遅らせてしまいます。
そのため、「今は休むのが仕事だ」と自分に言い聞かせ、主治医が「もう大丈夫」と太鼓判を押してくれるまで、しっかりと心を休める時間を確保するようにしましょう。
周囲からの理解や協力を得る
適応障害は自分一人だけで立ち向かうのが難しいため、周りの人たちの助けを借りることが重要です。
友人や家族、あるいは職場の信頼できる人など、自分の状況を理解してくれる味方を作っておきましょう。
ストレスを感じたときにすぐ相談できる人がいれば、一人で悩みを抱え込む時間が減り、心の負担が軽減されることで回復も早まりやすくなります。
また、職場に対しては、残業の制限や業務内容の調整などを具体的に相談し、再発しにくい環境を一緒に作ってもらうよう働きかけるのが大切です。「助けてほしい」と声を上げることは、自分を守るために必要な勇気ある行動だと理解しておきましょう。
クリニックでの経過観察を徹底する
症状が改善した後も、定期的にクリニックへ通い、専門医による経過観察を続けることが再発防止に非常に有効です。
医師は客観的な視点で患者さんの状態を診ているため、自分では気づきにくい再発の兆候を早期に発見してくれる場合があります。また、仕事やプライベートでのストレスに対する具体的なアドバイスをもらうことで、心の安定を保ちやすくなります。
さらに、医師が細かく回復状態を確認しながら復帰のタイミングを判断してくれるため、無理な社会復帰による失敗を防げるでしょう。
適応障害の再発を防ぎたい方は「こころメディカルクリニック」にご相談ください!

適応障害は、一度症状が落ち着いたとしても再発しやすい病気です。そのため、復職や再就職を検討する際は、今の自分の状態を慎重に見極める必要があります。
たとえ改善したと感じていても、人間関係の悩みや仕事の負荷などのストレス原因が残ったままであれば、再発のリスクは消えません。また、根本的な解決のためには、原因を物理的に取り除いたり、周囲や専門医と協力して対策を練ったりすることが不可欠です。
なお、適応障害の再発にお悩みの方は「こころメディカルクリニック」にご相談ください。

