適応障害のセルフチェック方法|症状・原因・治し方をわかりやすく解説

「気分の落ち込みや不眠が続いていて、病気なのか不安を感じる」
「自身の症状が適応障害に当てはまるのかチェックしたい」

本記事を読んでいる方の中には、心身の不調に戸惑い、解決策を探している方もいるでしょう。

適応障害は主にストレスが原因で、日常生活に支障が出る精神疾患です。放置すると症状が悪化してしまうケースも多いため、正しく対処しなければなりません。

本記事では、適応障害の具体的な症状や原因、セルフチェックの方法を詳しく解説します。改善に向けた治療法や休職時の手続きなども紹介します。

もし、適応障害の疑いがある場合は「こころメディカルクリニック」にご相談ください。

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目次

適応障害とは?

適応障害とは?

適応障害は強いストレスにより、心や身体にさまざまな不調が現れる精神疾患です。適応障害の概要を以下3つの項目に沿って解説します。

  • 適応障害の特徴
  • 適応障害の主な原因
  • 適応障害とうつ病の違い

まずは病気の基本的な性質を正しく理解し、自身の現状と照らし合わせてみてください。

適応障害の特徴

適応障害は心身のバランスを崩す精神疾患で、ストレスの原因から離れると症状が改善する傾向にある点が特徴です。仕事が原因ならば、休日は元気に過ごせるケースが多く見られます。

反対に、ストレスを感じる環境にいる間は、強い憂鬱さや不安感に襲われます。また、精神的なつらさだけでなく、身体の痛みや行動の変化として症状が出る場合も少なくありません。

なお、適応障害は真面目な性格の方や、完璧主義で責任感が強い方ほど発症する可能性が高くなります。

適応障害の主な原因

適応障害を引き起こす要因は、人によってさまざまですが、生活環境の変化がきっかけになる場合が多く見られます。

特に職場での転職や転勤、部署異動はストレスを感じやすいイベントです。また、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、同僚との人間関係の悪化も発症に関係します。プライベートでは離婚や出産、引越しなど、環境の変化もストレスの原因になりえるでしょう。

自身では小さな出来事だと思っても、心が受けるダメージは蓄積されていきます。複数の要因が重なることで、ある日突然、限界を迎えてしまうことは決して珍しくありません。

適応障害とうつ病の違い

適応障害とうつ病は似ていますが、症状の現れ方に明確な違いが存在します。適応障害とうつ病の具体的な違いは、下表のとおりです。

項目適応障害うつ病
ストレス要因明確であることが多い不明確な場合もある
気分の変化ストレスから離れると改善する状況に関係なく落ち込む
楽しみ楽しい活動には反応できる何をしても楽しめない
持続性環境が変われば回復しやすい症状が長く続く

両者の大きな違いは、ストレスの原因がなくなったときの反応です。ただし、適応障害であっても、放置して長期化するとうつ病へ移行する恐れがあります。

いずれにせよ心身の不調を感じる場合は、早めに専門医の診断を受け、適切に対処するのが大切です。

適応障害セルフチェックリスト

適応障害セルフチェックリスト

自身の状態を客観的に把握するために、適応障害のセルフチェックを行いましょう。以下3つの項目に沿って、セルフチェックの方法を紹介します。

  • 精神的な症状のチェック項目
  • 身体的な症状のチェック項目
  • 行動面の症状のチェック項目

心・身体・行動の3つの側面から、自身の状態をチェックしてください。

精神的な症状のチェック項目

心の不調は、自身でも気付かないうちに進行している場合があります。まずは、気分の変化や思考の状態をチェックしましょう。

適応障害の主な精神症状として、以下の項目が挙げられます。

  • 気分がひどく落ち込み、何をするにも意欲がわかない
  • 強い不安感や緊張があり、常に落ち着かない
  • イライラしやすく、些細なことで感情的になる
  • 集中力が低下し、物事を計画したり続けたりするのがむずかしい

何事もネガティブに考えてしまう日々が続くのは、脳が疲れている証拠です。以前は楽しめていた趣味に興味がもてなくなるのも、注意すべき変化です。

身体的な症状のチェック項目

ストレスは自律神経を乱し、身体にさまざまな症状を引き起こします。自律神経は、呼吸や体温を調節する重要な神経です。

適応障害の身体症状は以下のとおりです。

  • 夜眠れない、または途中で目が覚める
  • 頭痛やめまい、動悸などの症状が頻繁に出る
  • 食欲の低下や胃の不快感、吐き気がある
  • 身体がだるく疲れやすい、慢性的な疲労感がある

病院で検査をしても異常が見つからない場合、精神的なストレスが影響しているかもしれません。身体の不調は、心からのSOSである可能性があります。特に睡眠不足は回復を遅らせるため、早めの対応を必要です。

行動面の症状のチェック項目

適応障害は、本人の性格や意志とは関係なく、行動にも変化が現れます。周囲との関係や生活習慣を振り返りながら、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 遅刻や欠勤が増え、仕事や学校に行けないことがある
  • 自己コントロールがむずかしく、暴飲暴食してしまう
  • 人付き合いを避けて家に引きこもりがちになった
  • 感情の起伏が激しく、突然涙が出る

上記の変化はストレスから自身を守ろうとする反応の一種であるため、「だらしない」と自分を責める必要はありません。まずは、自身をコントロールできなくなっている状態を自覚するのが大切です。

適応障害の正式な診断基準

適応障害の正式な診断基準

医師は、国際的な診断基準を用いて適応障害かどうかを判断します。代表的な基準は、以下の2つです。

  • DSM-5による診断基準
  • ICD-10による診断基準

各基準の内容を確認して、客観的な診断の仕組みを理解しておきましょう。

DSM-5による診断基準

DSM-5は、アメリカ精神医学会が作成した診断基準で、ストレスが始まってから3ヵ月以内に症状が現れるのが条件とされています。

本基準では特定の原因に対して、不釣り合いなほどの著しい苦痛が生じているかが重視されます。仕事や学校などの重要な場面で、身体機能に障害が出ている状態も判断基準です。

また、DSM-5ではストレスの原因が取り除かれると、6ヵ月以内に症状が改善するとされています。そのため、症状が長引く場合は、別の病気の可能性を検討されるのが特徴です。

ICD-10による診断基準

ICD-10は、世界保健機関(WHO)が作成した国際的な診断基準で、ストレスの発生から1ヵ月以内に情緒面や行動面に症状が出るとされています。主な症状には、抑うつ気分や不安、混合性の感情などが挙げられています。

本基準ではストレスにより、社会的な生活に支障があるかどうかが診断のポイントです。他の不安障害やうつ病などの診断を満たさない場合に、適応障害と診断されます。

また、症状はストレス源が消えると、6ヵ月以上は持続しないとされています。

適応障害の3つの治療法

適応障害の3つの治療法

適応障害の主な治療法は、以下の3つです。

  • 休養・環境調整
  • 薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)
  • 認知行動療法・カウンセリング

適応障害の治療は、原因となっているストレスを軽減し、心身を休ませるのが基本です。また、症状や状況に合わせて、各方法を組み合わせながら治療を進めていきます。

休養・環境調整

休養・環境調整は、適応障害の治療で基礎となる方法です。適応障害の治療には、ストレスの原因である環境から離れ、心身を十分に休ませることが欠かせません。

もし、ストレスの原因が職場の場合は、休職や配置換、業務量の削減などを検討します。家庭環境が原因ならば、家族の理解を得て家事の負担を減らす工夫が大切です。

また、適応障害は焦ってすぐに治そうとせず、ゆっくりと回復のための時間を確保しましょう。環境を変えるのは勇気がいりますが、健康を守るために必要な決断です。

薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)

薬物療法は、つらい症状を一時的に和らげるためのサポート的な治療です。原因を取り除く根本治療ではありませんが、休息をとりやすくする助けとなります。

強い不安には抗不安薬、眠れない場合には睡眠導入剤が処方されるのが一般的です。気分の落ち込みが激しい抑うつ状態には、抗うつ薬を用いる場合もあります。

ただし、薬は医師の指示に従い、適切な量を服用するのが鉄則です。勝手に薬をやめたり増やしたりするのは避けましょう。また、副作用が心配な場合は、遠慮なく主治医に相談するべきです。

薬を補助として使いつつ、生活の土台を整えるのが回復の近道です。

認知行動療法・カウンセリング

認知行動療法は、考え方や受け止め方のパターンを見直す治療法です。同じ出来事でも、とらえ方次第で受けるストレスの大きさは変わります。極端な思考を和らげることで、ストレス耐性を高めるのが認知行動療法の狙いです。

カウンセリングでは、専門家と対話しながら心の問題を整理します。安心して話せる環境で気持ちを吐き出すだけでも、心の重荷は軽くなるでしょう。

また、認知行動療法・カウンセリングは、環境調整がむずかしい場合に、自身の反応を変える手法として役立ちます。再発を防ぐためのスキルを身につける機会にもなります。自身の癖を知り、より柔軟な考え方を取り入れる練習を行いましょう。

【適応障害と診断されたら】休職から復職までの流れ

【適応障害と診断されたら】休職から復職までの流れ

診断を受けた後は、無理をせず回復に専念する期間が必要です。休職から復帰までのステップを確認しましょう。

  • 診断書のもらい方と会社への伝え方
  • 休職中の過ごし方と傷病手当金
  • 復職・転職を考える時のポイント

手続きを正しく理解し、安心して休める環境を整えてください。

診断書のもらい方と会社への伝え方

休職を検討する場合は、まず心療内科や精神科を受診して診断書をもらいましょう。診察の際に、現在の症状や仕事への支障を具体的に説明してください。医師が必要と判断すれば、病名や休職期間が記載された診断書が発行されます。

会社への報告は、直属の上司や人事部門に相談するのが一般的です。感情的にならず、医師の診断に基づいた冷静な報告を心がけましょう。直接話すのがつらい場合は、メールや電話での連絡から始める方法もあります。

休職を会社に伝える際は、復帰を急がない意思を示すのも大切です。また、会社独自の規定がある場合は、就業規則を事前に確認しておきましょう。

休職中の過ごし方と傷病手当金

休職中は、療養に専念して心身をゆっくり休ませるのが第一です。仕事のことは一度忘れ、リラックスできる環境で過ごしましょう。

経済的な不安を減らすために、傷病手当金の活用を検討してください。傷病手当金とは、病気で働けない期間、給料の一部が支給される公的な制度です。標準報酬日額の3分の2に当たる額が、最大で1年6ヵ月間支払われます。

申請には医師と会社の両方の証明が必要です。申請手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 医師に療養の必要性を証明してもらう
  2. 会社に勤務していない事実を証明してもらう
  3. 保険者に申請書を提出する

疾病手当金を受給しながら生活リズムを整え、散歩など無理のない活動から始めましょう。

病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保健協会

適応障害の再発を防ぐためのセルフケア3選

適応障害の再発を防ぐためのセルフケア3選

回復した後も、再発を防ぐための習慣を身につけるのが重要です。日常生活で取り入れられる3つのセルフケアを紹介します。

  • 規則正しい生活リズムを整える
  • 自分なりのストレス発散法を見つける
  • 一人で抱え込まず相談できる環境を作る

上記のセルフケアを習慣にすると、ストレスに負けない柔軟な心が育つはずです。

規則正しい生活リズムを整える

生活の土台を安定させることは、心の健康に直結します。毎日同じ時間に起き、同じ時間に眠るリズムを心がけましょう。日光を浴びることで、心を安定させるセロトニンが分泌されます。

また、バランスの取れた食事も、神経の働きをサポートするために欠かせません。適度な運動を取り入れると、脳の疲れがリフレッシュされます。夜更かしや不規則な食事は、自律神経を乱す原因となるため控えてください。

身体のリズムが整うと、自然とストレスに対する耐性が高まります。無理なスケジュールを詰め込まず、余裕のある生活を設計しましょう。土台がしっかりしていれば、多少のトラブルがあっても心がぶれにくくなります。

自分なりのストレス発散法を見つける

ストレスを溜め込まず、日々こまめに解消する習慣をもちましょう。自身に合ったリフレッシュ方法を知っておくのが大切です。趣味に没頭したり、軽い散歩をしたりする時間が心の栄養になります。

また、短時間でできるリラクゼーション法を生活に取り入れるのもよいでしょう。深呼吸やヨガ、アロマテラピーなど、気軽に始められるものを選んでください。心を落ち着けられる方法を複数もっておくと安心です。

普段から自身を喜ばせる時間を意識的に作り、心のエネルギーを補充してください。我慢を美徳とせず、心地よさを優先する姿勢が重要です。

一人で抱え込まず相談できる環境を作る

悩みを一人で解決しようとするのは、限界があります。信頼できる家族や友人、同僚など、話を聴いてくれる相手を確保しましょう。

専門のカウンセラーや主治医との定期的なフォローを続けるのも有効です。つらい気持ちを言葉にして吐き出すだけで、頭の中が整理されます。

また、誰かに助けを求める勇気は、適応障害の再発を防ぐために欠かせません。

適応障害のセルフチェックで気になる方は「こころメディカルクリニック」にご相談ください

適応障害のセルフチェックで気になる方は「こころメディカルクリニック」にご相談ください

適応障害は、ストレスが原因で心身に不調が生じる精神疾患です。不調を感じている場合は、精神面や身体面、行動面の症状をセルフチェックしてみましょう。

適応障害の治療は、休養や環境調整が基本です。必要に応じて、薬を用いた治療やカウンセリングも行います。もし、休職が必要な際は、傷病手当金を活用してください。適応障害は決して焦って治そうとせず、ゆっくりと回復を目指しましょう。

もし、適応障害の疑いがある場合は「こころメディカルクリニック」にご相談ください。

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